点群とは?

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点群とは?

点群とは、対象物の表面を3次元的にスキャンし、多数の点の集合としてデジタル化したデータのことです。各点には位置情報(X, Y, Z座標)と色情報が含まれており、これにより物体の形状をミリ単位の精度で捉えることができます。

点群の利用用途

点群データはその精度の高さと広範囲の計測能力から、さまざまな分野で現在利用されています。

建設業や土木工学では、広範囲の土地や構造物の詳細な測量に利用され、設計や施工計画の精度の大幅な向上に貢献しています。また、点群データを基にした3Dモデルの作成により、現場の状況を正確に把握し、設計やシミュレーションに役立てることが可能です。

また、エンターテインメント分野では、映画やゲームの特殊効果に点群データが活用され、現実的で迫力のあるシーンの再現が可能となります。

その他、製造業や、インフラ管理、医療の分野でも活用が進められており、今後も技術の進歩とともに、さらに多くの分野・用途での活用が期待されています。

点群のメリット・デメリット

点群データの利点の1つは、精度の高さです。手計測に比べて非常に正確なデータが得られるため、設計や分析の精度が向上します。また、広範囲のデータを短時間で取得できるため、業務の効率化にもつながります。さらに、既存のインフラや設備をデジタルデータとして保存することで、将来的なメンテナンスや再設計が容易になります。

一方、デメリットとしては、データ容量の大きさが挙げられます。高精度なスキャンデータは膨大な容量となり、管理や処理が難しくなります。また、高精度なスキャナーや専用ソフトウェアは高価であり、初期投資が必要です。このため、導入にはコスト面での慎重な検討が求められます。

点群データを3Dモデルに変換するメリット

ここでは、点群データを3Dモデルに変換するメリットについて紹介します。

メリット1:データの扱いやすさ改善

点群データは、物体や環境を細部までスキャンするため、膨大な数の点によって構成されています。

そのため、この大量の点データを視覚的に理解することや、業務で扱うことが難しく、うまく活用できないケースも多くあります。

そこで、3Dモデルに変換することにより、データの扱いやすさを大幅に改善することで、点群データを取得する意義を飛躍的に高めることが出来ます。具体的には、以下の点が挙げられます。

視覚化の向上:3Dモデルは、視覚的に理解しやすいため、誰が見ても分かりやすい現況の3次元データとなります。これにより、現況を正確に把握した上での増改築などの検討が容易になります。

データ管理の効率化:3Dモデルは、点群データよりも軽量で扱いやすいフォーマットに変換されることが多く、簡単に保存や共有、膨大なプロジェクトを一元管理することが可能になります。

解析・編集の容易化:3Dモデルは、CADソフトウェアやシミュレーションツールで直接扱うことができ、編集や解析が容易になります。これにより、既存構造物の構造検討などの検討作業を迅速に行うことができます。

このように、扱いづらい点群データを3Dモデルに変換することで、普段の業務で使い慣れたソフトウェア上で扱うことができる点が、メリットの1つです。

メリット2:設計・工事におけるロスの最小化

建設プロジェクトでは、設計段階から施工段階までの情報の正確さが非常に重要です。

例えば、長年にわたり増改築を繰り返した建物では、最新の設計図書と現物との食い違いが多く見られ、竣工図に合わせて増築部分を設計・施工したにもかかわらず、現場でズレが生じ、工事工程に多大な影響が発生するケースも頻発しています。

そこで取得した点群を3Dモデル化し、既存建物の正確な把握をすることで、設計ミスの撲滅、施工時のロスコスト、および設計図書の不具合による工期圧迫を最小化できます。具体的には、以下の点が挙げられます。

正確な計測と設計:3Dモデルは、高精度の点群データに基づいて作成されるため、実際の現場状況を正確に反映しています。これにより、設計段階での誤差が減り、計画通りの施工が可能になります。

施工の効率化:3Dモデルを使用することで、施工の手順や順序をシミュレーションし、最適な施工方法を事前に検討できます。これにより、現場での手戻り作業や無駄な工程を削減できます。

コミュニケーションの改善:3Dモデルは、視覚的に分かりやすく、設計者、施工者、クライアント間のコミュニケーションが円滑になります。これにより、設計意図の誤解や伝達ミスが減少し、スムーズな関係者間の合意形成によりプロジェクトの成功に大きく貢献します。

このように、点群データを3Dモデルに変換することで、設計や工事におけるロスを最小化することができます。

点群データを3Dモデルに変換する際のポイント

ポイント1:建物構造の理解をしていること

点群データを3Dモデルに変換する際には、対象となる建物や構造物についての理解が不可欠です。建物を構成する材料・工法の理解が十分であれば、より正確で実用的な3Dモデルの作成をすることができます。

基本的な建築知識:柱、壁、床、空調設備、電気設備などの部材の配置や役割を把握していることが重要です。これにより、点群データから重要な要素を見逃さずに抽出することができます。

建築図面の読解力:点群データと建築図面を照らし合わせて確認するスキルが求められます。図面と実際のスキャンデータを比較することで、スキャンデータで読み取れない情報を図面から補完したり、図面と現実の差異に気付くことで、増改築の方針を最適化することが可能です。

実務経験:建設現場での実務経験があると、構造の詳細や施工手順を理解しているため、点群データのどの部分が重要かを的確に判断できます。例えば、壁下地や配管、電気配線などの隠蔽部の構造も考慮することが可能です。

このように、より正確な3Dモデルを取得するためには、建築構造の理解が十分にあることが重要なポイントとなります。

ポイント2:適切なソフトウェアを選択すること

点群データを3Dモデルに変換するためには、適切なソフトウェア選択が重要です。

3Dデータを扱うためのソフトウェアは多種多様であり、それぞれの特長や機能があるため、データの活用方法や用途によって最適なソフトウェアが異なります。そのため、点群データから3Dモデルに変換する際には、活用目的にとって最適なソフトウェアを選ぶことで、効率的かつ高品質な3Dモデルの作成が可能になります。

KAFAでは以下の画像に有るように、多様なソフトウェアを組み合わせた、目的に応じた最適なアウトプットを作成しています。

まとめ

点群データの3Dモデル化するためには、十分な建物構造の理解があること、適切なソフトウェアを選択することが重要となります。

KAFAでは、高いモデリング技術と業界トップクラスのモデル化実績を活かし、お客様の目的に応じた点群データの3Dモデル化を行います。ヒアリングを通して、ニーズに合わせたご提案をすることも可能です。

お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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